はちみつ家 > 蜂蜜エッセイ

ミツバチと共に90年――

信州須坂 鈴木養蜂場

はちみつ家

Suzuki Bee Keeping

サイトマップ RSSフィード
〒382-0082 長野県須坂市大字須坂222-3

 

第8回 蜂蜜エッセイ応募作品

五人兄弟と蜂蜜

北嶋 詢

 

長女(16)の場合

 「のど飴買った?」
 「え、何?マヌカハニーのこと?」
 「そうそう。季節の変わり目だから喉痛くなりやすいし先に買っといた方がいいと思うんだけど。」
 「あー、たしかに。時間があるときに頼むね。」
 「はーい、よろしく。」
 あーあ。また咳が出始めた、毎回季節の変わり目、秋と冬の境目は特にひどい。
 スースーするのど飴だと余計咳き込んじゃうからマヌカハニーの濃厚な甘さが喉の痛みに染み渡流ようで美味しい。留学で太った分蜂蜜ならヘルシーだからいくらでも食べられちゃう。ああそうだった。食べ過ぎは禁物、でも美味しいものは美味しいからしょうがない。

 

長男(5)次男(3)の場合

 「ママー!はちみつ!!!」
 手の届かない棚を指差して3歳の弟が叫ぶ。
 「ママは蜂蜜じゃないよ」
 「はちみつとってー!!パンに塗るの!」
 「ジャムじゃなくていいの?」
 「うん!今日ははちみつなんだよ?」

 「ママー!僕も!」
 5歳の弟も叫ぶ
 「もうパンにいちごジャム塗ってあるけどいいの?」
 「2個食べるから大丈夫!」
 「本当に全部食べられる?」
 「うん!約束できるよ!お兄さんだもん。」
 「いつもそう言って残してるでしょ。」
 「今日は残さないよ!!」
 「わかった。約束だよ。」
 「指切りげんまん嘘ついたらー!!」
 「ハリセンボンノーマス、指切った!」
 元気よく弟が指切りした後に、
 「指切りの意味わかってないと思うよ。」
 妹が言う。
 「いいのいいの。」
 母が答える。

 

次女(15)三女(13)の場合

 夜ご飯を食べ終わった次女が冷蔵庫の前でウロウロしている。
 「何してるの?なんか食べるの?」
 「今何か食べるか我慢するか悩んでるんだよね。」
 「あー、そういえばママがヨーグルト買ってきてたよ。」
 「え、ほんと?それ食べようかなー。」
 「いいんじゃない?ついでに私も食べようかな。」
 「私、ヨーグルト出すから棚に入っている蜂蜜とってくれない?」
 「うん、いいよ。どの蜂蜜?」
 「そのチューブ型のやつ。」
 「オッケー、私今日は瓶の蜂蜜にする。」
 「瓶の蜂蜜まだ試したことないなあ。チューブと比べて何か違う?」
 「うーん、結構味違うかも。採れたところが違うからかな?ていうか花の種類が違うかも。」
 「なるほどね。今度試してみる。」
 「今日は試さないの?」
 「今日はこの蜂蜜の気分だからね。」
 「わかった。」
 2種類の蜂蜜を机の上に並べる。お皿を用意してまずはヨーグルトを入れる。その上から蜂蜜をかける。くるくると蜂蜜を回しながらかけているのを見て、
 「え、待って。かけすぎじゃない?」
 「いや、いつもこのくらいだよ。」
 「あっそうなの!?」
 「うん。たくさんかけたほうが美味しいから。」
 「将来蜂蜜になるよ。多分。」
 「この家みんななると思う。」
 「それもそうか。」
 「あー!!私のヨーグルト蜂蜜も作って!」
 三女が私たちに話しかける。
 「え?蜂蜜ヨーグルトじゃない?ヨーグルト蜂蜜じゃなくて。」
 「そんなことどうでもいいから。早く食べたい!」
 「わかったわかった。今作るから待ってて。」
 「蜂蜜たっぷり目でお願い。」
 「はいはい。」

 将来は、きっとみんな蜂蜜になっていると思う。

 

(完)

 

蜂蜜エッセイ一覧 =>

 

蜂蜜エッセイ

応募要項 =>

 

ニホンミツバチの蜂蜜

はちみつ家メニュー

鈴木養蜂場 はちみつ家/通販・販売サイト

Copyright (C) 2011-2024 Suzuki Bee Keeping All Rights Reserved.